著者
松浦 俊弥
出版者
淑徳大学
雑誌
総合福祉研究 (ISSN:18818315)
巻号頁・発行日
no.22, pp.81-93, 2017

障害があったりグレーゾーンにあったりする子どもたち(障害児等)の放課後支援の在り方が注目されている.中でも小学生が利用する放課後児童クラブでは,制度上の壁もあり,障害児等に対する適切なケアが行われているとは言い難い状況にある.子ども同士のトラブルや事故につながっている例も多い.放課後児童クラブで障害児等への適切なケアが実施できない背景には,主として学校が作成することとなっている個別の教育支援計画を軸とした教育との情報共有等連携が有効に機能していない現状があるのではないか.先行研究や各種調査における資料や実際の放課後支援の現場の声などから,教育現場との連携に関する現状と課題を明らかにし,限られた環境の中で放課後支援,特に放課後児童クラブが障害児等へのケアの質を高めていくにはどうしたらよいか,を考察する.