著者
村本 健一郎 松浦 弘毅 椎名 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.949-958, 1993-05-25
被引用文献数
24

落下中の降雪雪片の形状を解析することは,雪片の生成メカニズムを解明する上で重要である.降雪雪片の形状を定量的に解析するためには,多くの雪片像より特徴量を抽出し,それらの相関を明らかにすることが必要である.本研究では,テレビカメラを使って,落下中の降雪雪片を連続的に撮影し,この2次元映像を画像処理して雪片の輪郭線を記録した.記録された輪郭データを用いて,落下中の雪片の運動に関与する雪片の領域の特徴解析と,雪片同士の併合に関与する輪郭線の複雑さとの2通りの解析を行った.領域の特徴解析では,面積,重心,落下姿勢および正規化モーメント特徴量を求めた.一方,輪郭線の複雑さとして,円形度,凹率およびフラクタル次元を計算し,これらの関係を調べた.モーメント特徴量,円形度,凹率は,面積や撮影方向により,影響を受けるが,フラクタル次元は,ほとんど一定値をとることがわかった.
著者
村本 健一郎 松浦 弘毅 椎名 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.12, pp.2353-2360, 1994-12-25
被引用文献数
13

落下中の降雪粒子の雪質を測定することは,降雪時における電波減衰を解析するために重要である.雪質は降雪粒子の密度(含水量)に大きく依存しているので,雪質は密度により表すことができる.本研究では,落下中の粒子の密度を長時間にわたって自動的に測定することを目的として,まず,画像処理による降雪観測法を用いて,落下中の個々の降雪粒子の粒径と落下速度を測定した.このとき同時に地上に落下したすべての粒子の重量を電子天びんを用いて測定した.粒子の粒径と落下速度のデータより得られる単位空間を通過するすべての粒子の体積の値とそれらの粒子の重量のデータより,落下中の粒子の密度の計算をした.更に,粒子の密度に影響を与える因子について考察することにより,画像処理データだけを使って,降雪強度を推定する手法を提案し,実際に適用した結果,実測値との良い相関が得られた.