著者
武石 賢一郎 松浦 正昭 小宮山 正治
出版者
The Visualization Society of Japan
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.30, no.116, pp.21-27, 2010 (Released:2012-03-03)
参考文献数
21

高温ガスタービンを主機としたコンバインドプラントがその熱効率の良さから脚光を浴びており、最新の産業用ガスタービンのタービン入り口温度は1500℃に達している。最も高温な燃焼ガスに曝されるタービン第一段動静翼の開発がキーポイントである。高温ガスタービンのタービンの翼間流路には複雑な渦システムが形成され、また高負荷化により強い二次流れが生じる。またタービン翼にはフィルム冷却が採用されているため、翼面から吹き出したフィルム空気と主流との混合も生じる。高温強度に耐え高性能で信頼性の高いタービン冷却翼を開発する上で、タービン翼間で生じる熱流動現象を正確に把握する必要があり、このためタービン静止翼列あるいは回転翼列などの試験装置を用いた実験が行われる。本解説では高温ガスタービンに用いるタービン翼の翼およびエンドウォール面上で生じる特徴的な流れを可視化した手法およびその結果について紹介する。