著者
松谷 貫司 木村 昌弘
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:21888833)
巻号頁・発行日
vol.2016-MPS-111, no.3, pp.1-6, 2016-12-05

ソーシャルメディアでは,ユーザは様々な情報を手軽に発信および共有することができ,ユーザが投稿したアイテムは,他のユーザからの共有や賛意メッセージなどのアテンションの数が増えるにつれてポピュラリティを獲得していく.最近 Shen ら [10] は,個々のアイテムへのアテンションの到着過程の確率モデルとして RPP モデルを提案し,それが既存のポピュラリティ予測法よりも精度が高いことを示した.本論文では,対象とするソーシャルメディアのアイテム群全体に対するアテンションの到着過程の確率モデルとして,ディリクレ過程と RPP モデルを融合した DPM-RPP モデルを提案し,アテンションダイナミクスの観点からそれらアイテム群の関係の分析を目指す.我々は,観測データに基づく DPM-RPP モデルの効率的な学習法および,DPM - RPP モデルによる各アイテムの将来ポピュラリティの予測法を与える.料理レシピ共有サイトの実データを用いた実験により,DPM-RPP モデルはポピュラリティ予測において RPP モデルを含む従来モデルよりも精度が高いことを示す.また,アテンションダイナミクスの観点における料理レシピ群のコミュニティ構造を明らかにする.