著者
松鵜 彩
出版者
鳥取大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

犬赤血球内寄生原虫であるBabesia gibsoni培養系にDeferoxamine、トランスフェリン(Tf)およびラクトフェリン(Lf)を添加したところ、Deferoxamineによる原虫の増殖抑制作用が認められた。培養液中に添加した59Feの赤血球への鉄取込みは添加直後に開始され、感染赤血球および非感染赤血球の間に差は認められなかった。59Fe-Tfの取込みは認められなかった。Far Western Blot法により、B. gibsoni感染赤血球由来可溶性蛋白中に存在するTfおよびLf結合蛋白は確認されなかった。以上の結果からB. gibsoniの非ヘム鉄の取込みは宿主赤血球の能動的な鉄取込みのみに依存するものと考えられた。