著者
板垣 優河
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2019-04-25

本研究は、植物を採集し、加工するうえで必要な道具や手法の検討を通して縄文時代の植物食を復元しようとするものである。そこでまず、土掘り具とされる打製石斧、加工具とされる磨石・石皿類に対して多量の機能分析を実施し、各石器の使用状況を具体的に解明する。併せて、国内の山間部を対象に堅果類や根茎類の採食にかかわる民俗調査を広く実施し、さらに関連文献を悉皆的に調べることにより、かつて日本列島でみられた野生植物の採集・加工の実態を把握する。そして、以上の作業を統合して縄文時代の植物食を技術的側面から可視化させ、縄文人の生存戦略や社会・文化の構造基盤、さらには人類史上におけるその特質までを究明する。