著者
板子 伸子 潮見 泰藏
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.31-35, 2006 (Released:2006-05-24)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

老人保健施設に入所する高齢障害者54名に対して,Visual analog scale(以下VAS)による主観的健康感の調査を行い,幸福感や運動機能,認知機能,意欲との関連性を検討した。結果は,VASによる主観的健康感が高い群の方が,中等度の群に比べてFIM認知機能が低い傾向が認められた。また,PGCモラールスケールとVASによる主観的健康感は弱い相関が認められた。これらの結果から,高齢障害者に対してVASによる主観的健康感を聴取する際には,認知機能の客観的評価とともに解釈する必要性はあるが,幸福感だけではなく健康感を含めることで,より具体的なリハビリテーションの目標設定が可能になるものと推測された。