著者
竹井 誠 林 晃史
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.252-257, 1968
被引用文献数
4

ハエならびにナメクジ害防除に木酢液を使用し, 次の結果をえた.1)木酢液の成分中, 中性区, 塩基性区, フェノール区はハエに忌避されなかつた.前者の混合は, 単独の場合より強い効果を示した.この混合物を水産乾製品の製造時に使用したところ, 日乾中のハエ付着が少なくなり, 製品の品質には何ら害がなかつた.2)木酢液はナメクジに対し速効性の強い接触毒を示した.効果は有機酸区, カルボニル区に強く, フェノール区, 中性区, 塩基性区にもあつた.殺ナメクジ効果は, 木酢液のもつ強酸性が主因ではない.3)木酢液はナメクジに対し強い忌避効果を示した.