著者
佐藤 眞明 吉田 哲矢 林辺 義人 紺野 進
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.639-642, 1993-06-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
8

大動脈内バルーンパンピング(以下IABP)が後負荷を減少させるのに対して, 遠心ポンプは前負荷を減少させ, また遠心ポンプの定常流はIABPにより拍動流化されるため, 両者の併用により相乗効果が得られる。1989年から1992年までの3年間に薬物療法およびIABPを用いても心肺離脱困難な10例に対して遠心ポンプを用いて補助循環を行った。補助循環の様式としては, 左心バイパス(以下LHB)が9例, 静―動脈バイパス(以下VAB)が1例であった。対象疾患は, LHBではA-Cバイパス術4例, A-Cバイパス術+大動脈弁置換術, 2弁置換術, 弓部大動脈置換術, 左室破裂および急性心筋梗塞はそれぞれ1例であり, VABでは再々大動脈弁置換術1例であった。LHBでは, 9例中3例が補助循環より離脱でき, そのうち2例が長期生存している。VABでは1例中1例が補助循環より離脱し, 長期生存している。