著者
五島 淑子 小野 佑輔 広津 理恵 石田 佳菜絵 前田 綾子 村尾 奈美 柏木 享
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1006, 2009

<BR>【目的】近年日本酒の消費量が減少している。日本の食文化のひとつである日本酒について、将来の酒の消費量に影響を与える年齢層の大学生を対象に、日本酒に対するイメージと嗜好について調査を行い、若者に日本酒を普及させる方法を探る。<BR>【方法】(1)酒のイメージ調査 平成20年6月上旬~7月上旬、山口大学学生290名を対象に、SD法によるイメージ調査を行った。(2)実態調査 平成20年6月中旬から7月中旬、山口大学学生353名を対象に、日本酒の飲酒頻度、日本酒についての関心などについてアンケート調査を行った。(3)日本酒の試飲調査 平成20年12月10日~12日に、山口大学学生102名(20歳以上で試飲後運転をしない人)を対象に、山口大学教育学部食物調理科学教室で、4種類の日本酒(純米酒、地酒)から好きな酒を選ばせた。<BR>【結果】(1)大学生は、日本酒を「アルコール度数が高い」「男性的」「年配向き」「高級」「辛い」とイメージしていた。(2)お酒として一番に思い浮かべるのはビールついで日本酒であったが、最も好きな酒はカクテルついで梅酒、ビールであった。(3)日本酒を飲む頻度は「月1回以下」「飲まない」が6割以上を占めた。(4)「料理にあう日本酒」「日本酒の飲み方」「日本酒の種類」に関心が高かった。(5)日本酒離れが進む原因として、「においがきつい」「アルコール度が高い」「値段が高い」「近寄り難い」「辛い」ためと考えていた。(6)試飲調査の結果、純米大吟醸、発泡純米酒、アルコール度数の低い酒が好まれた。(7)若者に日本酒を普及させるためには、若者が好む種類の日本酒の販売、料理にあう酒や飲み方などについて情報の発信など、日本酒の知識と経験が重要だと考える。