著者
伊東 勇人 久保木 仁敏 横山 昌仙 早川 正昭 柏木 祐幸
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会 全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.56, 2009

東海北陸自動車道は、愛知県一宮市を基点に岐阜県を経由して富山県小矢部市へ至る高速道路である。全長約185kmのうち、トンネル総延長がおよそ70km(約40%)を占める山岳道路で、約110kmの区間が暫定2車線の対面交通となっているが、利用者の利便性および定時性向上のために上り線が4車線化された。この東海北陸道の岐阜県郡上市大和町にある平山トンネルの入口照明に高効率セラミックメタルハライドランプを用いたトンネル照明設備を採用した。従来、入口照明の光源には、効率、寿命および経済性などを考慮して高圧ナトリウムランプが用いられてきたが、さらに高効率で演色性の高い、高効率セラメタ(ランプ効率130 lm/W[200W形]、平均演色評価数Ra65)を採用し、省電力化と視環境の改善を図った。ランプの発光部寸法が小さいことからグレアの抑制に配慮し、照明器具には走行方向と反対方向の光出力を抑えた反射板を用いた。また、比較的高い路面輝度を要する境界部には、2灯用の照明器具を採用し、設置台数の削減を図ると共に、順応輝度が高いトンネル接近中の運転者に対する光学的誘導効果を高めるために、2灯のうち1灯は走行方向と反対方向の光出力を高めた反射板を用いた。高効率セラメタを用いることによって、高圧ナトリウムランプよりも灯具台数を約10%削減、省電力化を図ることができた。