- 著者
-
松井 伸也
柳沢 卓
- 出版者
- 北海道情報大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 1999
粘性流体を記述する基礎方程式Navier--Stokes方程式の特異摂動を研究するため,Navier--Stokes方程式の構造の解析およびその特異摂動方程式としてのPrandtl方程式の構造の解析を計画した.共同研究者の柳沢先生(奈良女子大学)とは,Prandtl方程式の特異解・(非圧縮性)Navier--Stokes方程式の解の微分可能性・圧縮性Navier--Stokes方程式のゼロ粘性極限について,様々な議論を行った.具体的な論文にはならなかったが,Prandtl方程式についてのお互いの認識,特に非定常Prndtl方程式の解の存在定理の予想しうる形について等,を新たにしたものがあった.また儀我先生(北海道大学),石村先生(一橋大学)とも共同研究を行い次の結果を得た.儀我先生とは,有界な初期値から始まるNavier--Stokes方程式の解について,今まで知られていなかった解の時間的局所存在・一意性・2次元の時間的大域解の存在を示した.さらに半線形放物型方程式のBlow up rateを複雑なBoot strap methodを使い計算した(準備中).直接流体とは関係のない方程式であるが,この研究が放物型方程式の解にたいする特異性解析の解析手段を得ることに役に立つ事は疑いようの無いことである.石村先生とはPrandtl方程式の自己相似解(Blasius解)が爆発する場合を取り扱い,詳しいBlow up rateを計算した(投稿中).なお投稿中の論文は(with N.Ishimura) On blowing--up solutions of the Blasius equation である.準備中の論文は(with Y.Giga and T.Sasayama) Blow up rate for a semilinear heat equation with subcritical nonlinearityである.