著者
柳澤 亜希子
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.13-23, 2007-05-30 (Released:2017-07-28)
被引用文献数
3 1

本研究は、障害児・者と暮らす兄弟姉妹(以後、「きょうだい」と記す)が直面する諸問題とそれに対する支援の動向について概観し、今後のきょうだいに対する支援のあり方について提言することを目的とした。従来、障害児・者のきょうだいへの支援は、同じ立場にあるきょうだいが交流する場を設け、彼らの不安や悩みを緩和することを目的とした心理社会的な支援がおもに実施されてきた。一方、障害児・者の障害特性や対応方法について学ぶことを目的とした教育的な支援は、実施の際の指針となる知見が不十分であるために、国内外ともに体系的な活動までには至っていないことが明らかとなった。今後、障害児・者のきょうだいに対する支援においては、どの時期に、どのような情報を提示していくべきか、教育的支援の内容を体系的に構築していく必要性が示唆された。
著者
柳澤 亜希子
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.403-411, 2012 (Released:2013-09-18)
参考文献数
58
被引用文献数
1 1

本稿では、自閉症スペクトラム障害児・者と暮らす家族が抱える特徴的な問題を整理し、それらを踏まえて家族への支援の方向性を明らかにした。自閉症スペクトラム障害児・者の家族が抱える心理的な問題は、自閉症スペクトラム障害児・者の行動への理解や対応の難しさと関連していた。また、これに自閉症スペクトラム障害への社会の理解の不足によって引き起こされる家族の否定的な感情が複雑に絡み合い、その結果、自閉症スペクトラム障害児・者を含めた家族の生活を制約していくという一連のつながりが示された。自閉症スペクトラム障害児・者の家族の問題を改善していく糸口となるのは、家族が自閉症スペクトラム障害児・者への対応を身に付け、自信をもつことである。そのためには、家族が自閉症スペクトラム障害児・者の指導や支援に主体的に参画することが重要となることが示唆された。
著者
柳澤 亜希子
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.13-23, 2007-05-30
被引用文献数
2

本研究は、障害児・者と暮らす兄弟姉妹(以後、「きょうだい」と記す)が直面する諸問題とそれに対する支援の動向について概観し、今後のきょうだいに対する支援のあり方について提言することを目的とした。従来、障害児・者のきょうだいへの支援は、同じ立場にあるきょうだいが交流する場を設け、彼らの不安や悩みを緩和することを目的とした心理社会的な支援がおもに実施されてきた。一方、障害児・者の障害特性や対応方法について学ぶことを目的とした教育的な支援は、実施の際の指針となる知見が不十分であるために、国内外ともに体系的な活動までには至っていないことが明らかとなった。今後、障害児・者のきょうだいに対する支援においては、どの時期に、どのような情報を提示していくべきか、教育的支援の内容を体系的に構築していく必要性が示唆された。