著者
柳田 早織
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.305-313, 2019 (Released:2019-10-18)
参考文献数
30

過緊張性発声障害と内転型痙攣性発声障害は異なる音声障害として位置づけられているものの,音声症状や喉頭内視鏡所見が類似する場合や発声困難の訴えがあるものの診療場面で音声症状を捉えられない場合があり鑑別は容易ではない.両者の鑑別における言語聴覚士の役割は,音声治療により機能的要因を解除し,医師の診断を補完することである.試験的音声治療にて筋緊張緩和のための音声手技をいくつか試みて良好な反応が得られればまずは音声治療を実施することが鑑別の手掛かりとなる.しかしながら実際には適切な治療手技の選択に難渋する場合や治療経過のなかで心因の関与を疑うようなエピソードが患者から語られることもあり,言語聴覚士のみの介入が奏功しない場合もある.今後は鑑別困難な症例に対する治療効果を集積して共有するとともに心療内科等との連携体制も模索していくことが重要である.
著者
柳田 早織 今井 智子 榊原 健一 西澤 典子
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.1-8, 2011 (Released:2011-02-18)
参考文献数
18

日本人乳児に関する前言語期音声の詳細な発達過程は明らかになっていない. そこで生後4~10ヵ月時まで月1回の頻度で音声を録音し, 評価者2名が日本人乳児5名の音声を聴覚的に評価した. 日本人乳児の場合も英語圏乳児と同様に (i) 「stage model」に相当する発達段階の設定が可能かどうか, (ii) 段階設定が可能な場合に各段階は重複するのか, (iii) 発達段階における個人差はどの程度か, (iv) 摂食機能と出現音声は関連があるかについて検討した. その結果, 日本人乳児の場合も, 規準喃語が母音的音声や声遊び音声に遅れて出現し発達段階の設定が可能であること, 規準喃語出現以降も母音的音声や声遊び音声が観察され各段階は重複することが示された. また, 観察された音声タイプや出現頻度, 規準喃語の出現時期は対象児間で異なっていた. 離乳食開始に伴い, 口唇を震わせて産生するraspberry (RSP) が増加し, RSPの出現と摂食機能との関連が示唆された.
著者
柳田 早織 今井 智子 榊原 健一 西澤 典子
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.1-8, 2011-01-20

日本人乳児に関する前言語期音声の詳細な発達過程は明らかになっていない. そこで生後4~10ヵ月時まで月1回の頻度で音声を録音し, 評価者2名が日本人乳児5名の音声を聴覚的に評価した. 日本人乳児の場合も英語圏乳児と同様に (i) 「stage model」に相当する発達段階の設定が可能かどうか, (ii) 段階設定が可能な場合に各段階は重複するのか, (iii) 発達段階における個人差はどの程度か, (iv) 摂食機能と出現音声は関連があるかについて検討した. その結果, 日本人乳児の場合も, 規準喃語が母音的音声や声遊び音声に遅れて出現し発達段階の設定が可能であること, 規準喃語出現以降も母音的音声や声遊び音声が観察され各段階は重複することが示された. また, 観察された音声タイプや出現頻度, 規準喃語の出現時期は対象児間で異なっていた. 離乳食開始に伴い, 口唇を震わせて産生するraspberry (RSP) が増加し, RSPの出現と摂食機能との関連が示唆された.