著者
柴久喜 光郎 高橋 清孝 上田 賢一
出版者
宮城県水産研究開発センター
巻号頁・発行日
no.16, pp.21-30, 2000 (Released:2015-04-17)

1. 気仙沼市魚市場で扱われているサメ類の銘柄名と標準和名を照合する現地調査を行い,15銘柄中10銘柄を魚種査定した結果,11種を確認した。2. 「毛鹿さめ」,「吉切」,「勝さめ」,「平頭」,「油さめ」の5銘柄は,それぞれ,単一種で構成されていた。また,「尾長さめ」,「真尾長」,「丁さめ」,「目白さめ」,「さめ」の5銘柄は複数種含むことがわかった。3. 確認した11種に加え,頭部のない魚体から種の判定ができないサメが「目白さめ」にあったこと,現場で確認できなかった銘柄が5つあることから,気仙沼市魚市場には12種類以上のサメ類が水揚されていた。4. 5銘柄が単一種としてヨシキリザメ,ネズミザメ,アブラツノザメ,アオザメ,ヨゴレと同定されたので,これらの魚種については水揚量の把握が可能となった。これら5種の合計水揚量は全体の98%を占めた。5. 複数種または銘柄で重複がみられる種の水揚量の把握は,継続して魚種組成を定期的に調査する必要がある。この中で比較的水揚の多いオナガザメ科のサメは,頭部等がない状態でも種の判別が可能なので,水揚量の把握が望まれる。