著者
大束 貢生 柴田 和子 富川 拓 古川 秀夫 山田 一隆
出版者
佛教大学社会学研究会
雑誌
佛大社会学 (ISSN:03859592)
巻号頁・発行日
no.44, pp.44-53, 2020-03-20

この小論の目的は,日本においてサービス・ラーニングが「評価」や「道徳教育」,「キャリア教育」との関連においてどのように語られてきたか,先行研究から概観することにある。先行研究を概観したところ,「サービス・ラーニングと評価」に関連する論文では,自己評価ツールの開発やそれを基にした学生の学習効果を明らかにすることが目的とされたが,実例が蓄積された2013年以降は,サービス・ラーニングの評価枠組みを再度振り返り,検討することの必要性や具体的な取り組みのために必要なシステムの構築が検討されつつあった。「サービス・ラーニングと道徳教育」に関連する論文では,サービス・ラーニングと関連させて道徳的理解や道徳的感情,道徳的反省に関する考察がなされていた。また,人格教育の一手法として実施されているサービス・ラーニングについての研究も行われていた。「サービス・ラーニングとキャリア教育」に関連する論文では,キャリア教育におけるボランティア,サービス・ラーニング,インターンシップの位置づけに関する考察等が行なわれていた。サービス・ラーニング評価道徳教育キャリア教育