著者
柴田 幸穂
出版者
日本マネジメント学会
雑誌
日本経営教育学会全国研究大会研究報告集
巻号頁・発行日
no.54, pp.73-76, 2006-10-27

中等教育における商業教育はビジネス教育へと呼称を変え,社会や経済の急速な変化に対応しようとしている。変革が求められる教育の現場で教師のモラールをいかに上げていくかは深刻な問題である。公立学校組織では改革の取り組みが続けられているが,その体系的研究はまだ不十分である。そこで,企業のマネジメント研究が学校組織にも応用できるかどうかは興味ある研究課題である。このような中で,発表者は管理職として勤務する商業高校において実践的問題解決の取り組みを行った。問題の構造化と分析にあたっては「統合的アプローチ」を参考にし,組織変革という現象を組織構成員の変革行動からとらえた。予備調査に基づいた業務強度分析や「分掌」再編による構造変革を通じた働きかけおよびFDによる直接的働きかけを行い,全体として組織の価値創造を図った。今回の報告では,取り組んだ一連の実践行動がどのように理論的に説明されるのかを考察する。