著者
柴田 由己
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.198-208, 2008-01-01 (Released:2008-03-30)
参考文献数
29
被引用文献数
2 2

本研究は,青年用刺激希求尺度を作成して,その信頼性と妥当性を検討することを目的とした。研究1では,先行研究と予備調査において収集された126項目について探索的因子分析を行った。大学生189名のデータから,スリルと冒険 (TAS),抑制の解放 (Dis),内的刺激希求 (IS),日常的な新奇性希求 (DNS) の4因子が抽出された。研究2では,大学生480名のデータを用いたSEMにより,4因子構造と男女間での因子パターン不変性の確認,さらに男女間で因子得点の平均構造の比較を行った。結果は4因子構造の因子的不変性とTAS, Dis, DNSにおける因子得点の有意な男女差を示した。研究3ではα係数と再検査信頼性が検討され,SSS-JAの下位尺度における充分な内的一貫性と安定性が示された。さらに,他尺度との相関分析から,収束的妥当性と弁別的妥当性が論じられた。