著者
御領 政信 柴田 良久 諏訪 隆彦 梅村 孝司 板倉 智敏
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.867-873, 1987-10-15
被引用文献数
3

外国より導入された種鶏からふ化した幼雛において, 鶏貧血因子に起因した貧血症が認められ, 12日から25日齢までの死亡率は, 雌で約2.4%, 雄で20.9%であった。肉眼的には, 骨髄の黄色化, 胸腺及びファブリキウス嚢の萎縮, 肝臓の退色・腫大及び肺の硬化が認められた。組織学的には, 骨髄低形成及びリンパ性器官におけるリンパ球の消失がかなりの発症雛で見られた。17日齢の発症雛の肝臓から, MDCC-MSB1細胞により, chicken anemia agent (CAA) が分離され, 自然感染例と同一の種鶏群由来の1日齢雛は, CAAに対し低感受性であった。肺アスペルギルス症及び細菌感染症が多くの例に合併しており, これらも死因として重要と考えられた。