著者
柿本 泰男 佐野 輝
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.83, no.4, pp.533-538, 1994-04-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
5
被引用文献数
1

パーキンソン病の治療の開発の歴史を概観した.その中でL-DOPA療法の開発の一部に筆者の一人が関与したので,発想や苦労話も加えて記述した.治療法の開発は他の病気のそれと同じく,病因がわかって,理論的に行われたものはない.偶然の思いつき(抗コリン薬),研究的関心(ドーパミン),臨床の偶然の経験(アマンタジン)などが発端になっている.薬物の密造の失敗(MPTP)も新たな研究への端緒になっている.