- 著者
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倉橋 弘
柿沼 進
- 出版者
- 日本衛生動物学会
- 雑誌
- 衛生動物 (ISSN:04247086)
- 巻号頁・発行日
- vol.66, no.4, pp.167-200, 2015
- 被引用文献数
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日本産のニクバエ全種の検索表を作成するために,ニクバエの標本を再検討したところ,新たに本州(千葉県)より採集されたニクバエが新属新種であることがわかったので,パペニクバエ属キサラズニクバエPapesarcophaga kisarazuensis Gen. nov., sp. nov.として記載した.日本昆虫目録(倉橋,2014)には36属119種が記録されているが,その後に2種ワタナベギングチヤドリニクバエOebalia pseudopedicella Kurahashi & Kakinuma, 2014とタテヤマギングチヤドリニクバエO. pseudoharpax Kurahashi & Kakinuma, 2014が記載されたので,キサラズニクバエを含めると日本産ニクバエは122種となった.ニクバエは外形がよく似ており,特に,ニクバエ亜科のニクバエでは,これまで,主に雄の外部生殖器の形態が種の分類に使われてきたが,外形でも出来るだけ属や種が検索できるように試みて,122種の検索表を作製した.チェックリストは著者らの調べた標本に基づいて作製し標本のデ-タも付した.属の数については亜属からもとの属位にもどしたものもあり43属となった.