- 著者
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柿沼 隆志
- 出版者
- 大東文化大学
- 雑誌
- 大東文化大学紀要. 人文科学 (ISSN:03861082)
- 巻号頁・発行日
- vol.46, pp.A237-A253, 2008-03
図書館とは何かを問い直すために初めにその意味世界を考察する。一般的なイメージで喚起される像は,<公開されている多数の図書>である。一方,日本語の辞書では<図書その他の資料が収集・蓄積・提供される施設>であり,英語ではそれよりも広義であり,「叢書」などが含まれる。専門用語辞典では,それを情報拠点とするものと辞書と同じ位置づけをするものがあり,見解が分かれる。図書館学者の定義も多様である。それらの定義に一般的なイメージによる像に欠けている点を整理して検討すると,それらは図書館の本義に属するものにはならなかった。そこで,<公開されている多数の図書>の当否を検討した結果,議論の出発点としての定義,"図書館とは,ある意図で集められ,公開される一群の図書である"を得た。