著者
栗山 幸子 青島 正浩 戸倉 新樹
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.126, no.7, pp.1263-1271, 2016-06-20 (Released:2016-06-18)
参考文献数
15

発汗低下を主訴に最近当科を受診し,特発性後天性全身性無汗症または減汗性コリン性蕁麻疹と診断した7例について,温熱発汗テスト,アセチルコリン皮内反応テスト,組織学的検討を行い,ステロイドパルス療法を行った.全例男性で体表面積の63%以上が減汗であり,6例が点状膨疹を伴っていた.無汗部位は下腿に,低汗部位は上肢・体幹に主に認められた.治療後,全例で発汗回復部位が現れ,同低汗部位に一致して点状膨疹が出現した.減汗性コリン性蕁麻疹は無汗部位ではなく低汗部位に生じ易いことを裏づけた.