著者
栗岩 瑞生 鈴木 里美 村松 愛子 渡辺 タミ子 大山 建司
出版者
日本小児保健協会
雑誌
小児保健研究 (ISSN:00374113)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.596-601, 2000-09-30
参考文献数
11
被引用文献数
8

思春期の自己のボディ・イメージ(身体像)とローレル指数について縦断的調査を行い両者の関連を検討した。対象は医科大学に在学中の女子看護学生108名で、二次性徴の出現時期や、小学校低学年・高学年・中学生・高校生の時に自分の体型をいかに感じていたかを記憶に基づきアンケート調査した。更に6~18歳まで1年毎の学校での身体計測値からローレル指数を算出し、ボディ・イメージや二次性徴との関連を検討した。対象の各年齢群別ローレル指数は自己のボディ・イメージと有意の相関を示したが、普通と認識するローレル指数と全国平均ローレル指数の差は加齢と共に拡大し、16~18で最大となった。初経発来年齢別のボディイメージの比較でも、早発群は体型を「やや大っている」と認識し、普通群、遅発群は初経前後から自己のホディ・イメージが太っている方へと変動する傾向を認めた。性成熟と共により痩せた体型を普通の体型と捉える傾向が明らかになった。思春期女性の体脂肪量の増加は生理的な変化であり、思春期前から二次性徴の出現と体脂肪の増加、体型変化について正しい教育を行っていくことが重要である。