著者
栗本 秀
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

末梢神経内へ運動神経細胞を移植し、神経再支配した骨格筋(MISM)を作成した。成体ラットの坐骨神経を切離し、胎児ラット脊髄神経細胞を、切断した末梢神経内に移植した。MISM の支配神経へ電極を留置し、体外より電気刺激を行い、坐骨神経切断ラットの歩容が改善することを確認した。今まで治療が困難であった広範な末梢神経損傷や中枢神経障害に対し、すでに実用化されている機能的電気刺激(FES)技術と組み合わせることで、全く新しい麻痺筋の機能再建を可能にする。中枢神経系に対する細胞移植と比べ不可逆な変性に陥るまでの治療可能期間が広く、少数の細胞で麻痺筋の機能回復を実現できるため、ES/iPS 細胞を用いた再生医療の臨床応用に近い技術開発であると考える。