136 0 0 0 OA 異魚図賛

著者
栗本昌臧<栗本丹州>//編
出版者

幕医栗本丹洲(1756-1834)の魚介譜を奥倉辰行が転写した異魚15品の図譜。最初から5番目の、象の鼻のような突起をもつ「サウサメ」(ゾウザメ)は、図が悪いがチョウザメか。その後にヒレがみな赤く細長い魚が6匹あるのはリュウグウノツカイ(龍宮の使)。リュウグウノツカイの間に描かれている、頭上に鞭のようなものが伸びている無名魚は珍魚アカナマダ。稿末から3番目の「ユトウ」は北海道やサハリンの川に生息するイトウで、時には体長2mにもなる日本最大の淡水魚である。このアカナマダとイトウの図は日本でもっとも古いと思われる。(磯野直秀)