著者
栗林 芳彦
出版者
学校法人滝川学園 名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.123-132, 2013

西尾市は抹茶の生産量が日本一であり,多くの加工食品に西尾抹茶が使われているが,残念ながらその事実はあまり知られていない.他方,宇治抹茶の評価は極めて高い.今回実施した調査では,西尾抹茶がこれに対抗する糸口を探るべく,宇治抹茶が加工食品の原材料として使われた際もその高いブランド力を維持するかをインターネット調査を通じて調べた.結果としては,宇治抹茶を使った製品は産地を特定しない抹茶を使用した製品に比べて高い評価を得ていた.ただし,宇治抹茶の評価は日常的な抹茶への接触経験の多寡と直接的に関係がないことも明らかになり,消費者の食品ブランドに対する態度の複雑さを浮き彫りにすることになった.