- 著者
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栗田 茂二朗
- 出版者
- The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
- 雑誌
- 音声言語医学 (ISSN:00302813)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.2, pp.185-193, 1988-04-25 (Released:2010-06-22)
- 参考文献数
- 5
- 被引用文献数
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剖検より得られた男63個, 女59個の喉頭を肉眼的, 組織学的に観測し以下の結果を得た.1) 声帯の長さ, 声帯膜様部の長さは, 新生児より年齢とともに増大し, 20歳頃に成人の長さに達する.2) 声帯粘膜の厚さは, 新生児でも0.75~0.95mmでかなり厚く, 年齢に伴う増大はわずかである.3) 新生児では声帯靱帯が形成されていない.靱帯の発達は, まず線維束が膜様部全長に連なり, 次に弾性線維, 膠原線維の層が分化し, さらに密度を増すという過程をとおって完成する.4) 粘膜固有層浅層は, 加齢とともに浮腫状となって厚くなる.中間層は弾性線維の萎縮のため薄くなり, 深層は膠原線維の増生によって厚くなる.これらの傾向は男の方で顕著であった.