著者
シュレーゲル フリードリッヒ 栩木 憲一郎
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.25, pp.98-109, 2012-09

本翻訳は、ドイツ・ロマン派の思想家フリードリッヒ・シュレーゲル(Friedrichvon Schlegel, 1772-1829)が、1796 年にJ.F. ライヒハルトの主宰するベルリンの雑誌『ドイツ(Deutschland)』第3巻に発表した論文「共和主義の概念について-カントの『永遠平和のために』をきっかけとして(Versuch über den Begriff des Republikanismusveranlaßtdurch die Kantische Schrift „zum ewigen Frieden")」の全訳であるである。この論文は、その表題にもある通り、シュレーゲルが、カントが1795 年に発表した論文『永遠平和のために』をきっかけとして書いたものである。この論文においてシュレーゲルはカントに対する深い敬意を示し、カントの主張に注釈を加えるという形をとりながらも、シュレーゲル独自の共和主義に対する見解を展開している。特にこの著作においてシュレーゲルは共和主義そのものの条件を破壊しないのであるならば、一定の形で独裁官といった官職を認め、他方共和主義そのものの条件が破壊される場合には、それに対する抵抗を許容している。
著者
レーベルク アウグスト・ヴィルヘルム 栩木 憲一郎
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.30, pp.207-216, 2015-03

本翻訳は、ドイツの思想家アウグスト・ヴィルヘルム・レーベルク(1757-1836年)が、カントがベルリンの雑誌『ベルリン月報(Berlinische Monatschrift)』の1793年9 月号に発表した論文「それは理論においては正しいかもしれないが、実践については役立たないという決まり文句について(Über den Gemeinspruch: Das mag in derTheorie richtig sein, taugt aber nicht für die Praxis)」を受けて、同じ『ベルリン月報』の1794年2 月号に発表した「理論の実践に対する関係について(Über das Verhaltnisder Theorie zur Praxis)」の日本語訳である。この論文においてレーベルクは前年に出されたフリードリッヒ・ゲンツのカントに対する批判と同様にカントの議論に対してその意義を認めつつも、それのみでは現実の国法論や市民社会への応用に対しては不十分であることを、フランス革命において展開された議論を背景にしながら論証している。
著者
栩木 憲一郎 トチギ ケンイチロウ TOCHIGI Kenichiro
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.28, pp.258-263, 2014-03-30

本書では、グローバル化の進展する現代社会において避けて通ることの出来ない国際社会の諸問題が取り上げられ、それらが「世界正義(Global Justice)」の問題として論じられている。筆者はまず世界正義なるものの理論上の成立可能性をめぐる議論から出発し(第一章・第二章)、続いて具体的な問題として、国家体制の国際的正統性条件と人権との関係(第三章)、世界的規模での貧困問題の解決を目的とした世界経済における格差是正の問題(第四章)、さらには国際社会における武力行使の正当性をめぐる戦争における正義の問題(第五章)を論じ、最後に今後のあるべき世界統治秩序を構想している(第六章)。本書ではこれらの問題をめぐる現在の代表的議論と筆者の見解がきわめてよくまとめられており、今後の世界秩序を規範的に構想する際の良き手引書となっている。
著者
栩木 憲一郎
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.23, pp.148-159, 2011-09

本論文は1790年代のドイツにおけるカントとフィヒテという二人の政治思想家の永遠平和にむけた政治理論の展開に焦点をあて、その一定の概説を試みる。前者であるカントは平和論の古典とも言うべき『永遠平和のために』(1795 年)で政治思想史上著名な人物であり、その永遠平和に向けた議論に対する後世の注目はきわめて高い。しかし他方、後者であるフィヒテが1790年代においてカントの問題意識を引き継ぎ、カントと同様に永遠平和に向けた政治思想を独自の形で展開しようとしていたことは、あまりこれまで注目されては来なかった。本論文では1790年代におけるカントの『永遠平和のために』における議論の展開と、このカントの著作に対するフィヒテの書評を取り上げ、当時のドイツにおける政治思想の展開の一端を明らかにしようとするものである。
著者
栩木 憲一郎
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.23, pp.148-159, 2011-09

本論文は1790年代のドイツにおけるカントとフィヒテという二人の政治思想家の永遠平和にむけた政治理論の展開に焦点をあて、その一定の概説を試みる。前者であるカントは平和論の古典とも言うべき『永遠平和のために』(1795 年)で政治思想史上著名な人物であり、その永遠平和に向けた議論に対する後世の注目はきわめて高い。しかし他方、後者であるフィヒテが1790年代においてカントの問題意識を引き継ぎ、カントと同様に永遠平和に向けた政治思想を独自の形で展開しようとしていたことは、あまりこれまで注目されては来なかった。本論文では1790年代におけるカントの『永遠平和のために』における議論の展開と、このカントの著作に対するフィヒテの書評を取り上げ、当時のドイツにおける政治思想の展開の一端を明らかにしようとするものである。