著者
栩野,元秀
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, 2003-09-15

1997-98年の流れ藻随伴幼稚魚の調査ではクロソイが5,6月の優占種となったが,タケノコメバルの採集は無かった。1962-63年にはクロソイは採集されず,6月はタケノコメバルが優占していた。このことは,二つの調査が実施される間に二種の増減が起こったことを示した。また,それぞれ二種の前後に随伴する魚種やその出現順は同様であり,二種の大きさ,食性も類似していた。したがって,これら二種の間に1960年代から1990年代にかけて魚種交替が生じたこと,かつ二種の生態には共通点が多いことが明らかとなった。