著者
岡本,一
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, 2001-05-15

魚の摂餌行動に及ぼす背景色の影響をみることを目的とした水槽行動実験を行った。供試魚にはスズキを用い, 白, 赤, 緑, 青を背景色として擬餌5種類(白, 赤, 緑, 青および透明)を同時に投入し, 擬餌に対する魚の行動記録を水中ビデオカメラで撮影記録し, 解析した。背景が白では, 緑の擬餌に対する食付き頻度が顕著に高かった。また, 背景が赤および青では, 透明および白の擬餌に高い食付き頻度を示した。高頻度で選択される擬餌の色は背景色によって異なり, 背景色とルアー色の普遍的な組み合わせは見出せなかった。
著者
坪井,潤一
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, 2002-03-15

北海道南部の4河川において,天然のイワナSalvelinus leucomaenisを用いて,キャッチアンドリリース後の成長,生残,釣られやすさを調べた。釣獲直後の死亡率は6.7%であり,過去の研究結果に近い値であった。一方,キャッチアンドリリースが行われた個体において,成長率や生残率の低下は認められなかった。また,釣られやすさは釣獲経験のある個体と無い個体で同程度であった。よってキャッチアンドリリースを行うことは資源量および釣獲量の増大に有効であることが示唆された。
著者
瀬崎 啓次郎 小林 弘
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.851-854, 1978-08 (Released:2011-03-05)
著者
紫加田 知幸 櫻田 清成 城本 祐助 生地 暢 吉田 誠 大和田 紘一
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.34-45, 2010-01 (Released:2011-03-28)

室内において、八代海における主要な植物プランクトンの異なる水温、塩分および光強度条件下における増殖特性を調べ、現場において各種の動態とそれらの環境条件との関係を調査した。水温および塩分に対する増殖応答特性は種によって異なっていたが、増殖のために要求する光強度はいずれの種でも大差なく、ほとんどの供試生物の増殖速度は80μmol/m2/sで飽和した。現場における季節的な種変遷パターンは水温および塩分の変化と、短期的な動態は水中光の強度の変化と同調していた。
著者
松岡 達郎
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, 1999
著者
松岡,達郎
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, 1999-09-15
著者
土屋,隆英
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, 2000-09-15
著者
村田,裕子
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, 2002-07-15

バフンウニ(Hemicentrotus pulcherrimus)は,日本沿岸に広く分布し,主に福井県以南の日本海沿岸および九州地方で漁獲されている。美味なウニの一種とされ,すでに食用部分である生殖巣の呈味成分組成について明らかにされている。一方,東北地方では,バフンウニはほとんど漁獲対象とされていない。その主な理由は生殖巣にしばしば強い苦味を有するためとされている。本研究では,福島県いわき地方に生息する個体を対象とし,苦味の発現頻度を調べた結果,苦味が成熟した卵巣に特有なものであることに着目し,卵巣から新規含硫アミノ酸pulcherrimine [4S-(2'-carboxy-2'S-hydroxy-ethylthio)-2R-piperidinecarboxylic acid]を単離・構造決定した。さらに,pulcherrimine (Pul)の分析方法を開発し,生殖巣中の含量とその季節変化,さらにPulの味覚生理学的特性について検討した。本稿ではこれらの成果について概説する。
著者
栩野,元秀
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, 2003-09-15

1997-98年の流れ藻随伴幼稚魚の調査ではクロソイが5,6月の優占種となったが,タケノコメバルの採集は無かった。1962-63年にはクロソイは採集されず,6月はタケノコメバルが優占していた。このことは,二つの調査が実施される間に二種の増減が起こったことを示した。また,それぞれ二種の前後に随伴する魚種やその出現順は同様であり,二種の大きさ,食性も類似していた。したがって,これら二種の間に1960年代から1990年代にかけて魚種交替が生じたこと,かつ二種の生態には共通点が多いことが明らかとなった。
著者
貞方,勉
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, 1999-11-15

卓越年級群の頭胸甲長組成の追跡および産卵周期の解明によって本種の成長を実証的に明らかとした。本種の多くは5歳から6歳の間で雄から雌に性転換する。雌期では, 隔年で3回以上の産卵をおこない, 7歳で初めての幼生ふ出をおこなうことから, 寿命は11歳以上と推定された。この結果は, 従来の知見よりも成長は遅く, 寿命は長い。成長式としてl_t=34.15[1-exp{-0.252(t+0.016)}]を得た。ただし, l_tは年齢tの頭胸甲長(mm)である。日本海は本種の分布の最南端に位置するが, 成長は世界的にみて最も遅い。これは生息場が日本海固有水の影響を受けるためである。
著者
小川 和夫
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.586-598, 2010-07 (Released:2011-05-27)
著者
藤枝 繁
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.23-30, 2011-01 (Released:2012-12-06)

瀬戸内海で大量に使用されているカキ養殖用プラスチック製パイプ類の漂流漂着実態を明らかにすることを目的に,瀬戸内海全域を対象に海岸での回収調査および海面での目視調査を実施した。海岸における平均漂着密度は,採苗連に使用されるまめ管が最も高く7.5個/m2,続いて広島県の垂下連で収穫時に発生する損傷パイプ4.5個/m2,同垂下連で使用されるパイプ2.9個/m2であった。まめ管,パイプおよび損傷パイプの発見率(漂着密度0.1個/m2以上の調査海岸数の割合)は,広島県から西方の海域で高かったが,まめ管は東部海域にも広く漂着していた。
著者
田中 秀樹
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.345-351, 2011-05 (Released:2012-12-06)