著者
新井 龍一 来間 弘展 根本 海渡
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.921-927, 2018 (Released:2018-12-21)
参考文献数
30

〔目的〕深部横断マッサージが拮抗筋の筋機能に影響を与えるかをストレッチングと比較し検討することとした.〔対象と方法〕対象は33名の健常成人男性の右足とし,対照群,ストレッチング群,マッサージ群に分け,自動下肢伸展挙上角度,大腿四頭筋の筋硬度,角速度60 °/sec,120 °/secの大腿四頭筋最大筋トルク,大腿直筋の筋反応時間を介入前後に測定し検討した.治療介入はそれぞれ合計10分間とし,ハムストリングスに対してマッサージ群は深部横断マッサージ,ストレッチング群は静的ストレッチングを用い,対照群は安静背臥位とした.〔結果〕ストレッチング群,マッサージ群において自動下肢伸展挙上角度に主効果を認め,その他の項目では主効果, 交互作用を認めなかった.〔結語〕深部横断マッサージは主動作筋の伸張性に効果はあるが, 拮抗筋の筋機能に影響を与えないことが示唆された.