著者
石原 智彦 小澤 鉄太郎 根本 麻知子 新保 淳輔 五十嵐 修一 田中 惠子 西澤 正豊
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.96, no.1, pp.141-143, 2007 (Released:2009-12-01)
参考文献数
8

イヌ回虫性脊髄炎は幼虫移行症の一つであり,まれな神経感染症である.症例は左半身のしびれ感にて発症した21歳女性で,頻回に生の牛レバー食歴があった.脊髄MRIで第4~8胸椎レベルに病変を認め,脳脊髄液中の好酸球出現と血清IgE上昇を認めた.血清,脳脊髄液中のイヌ回虫抗体価上昇を認め,イヌ回虫性脊髄炎と診断した.アルベンダゾールの内服で臨床症状は改善し,抗体価も低下した.脊髄炎の鑑別診断の一つにイヌ回虫性脊髄炎も考慮すべきと考え,報告する.