著者
内田奈生 熊谷直憲 根東義明
出版者
医薬ジャーナル社
雑誌
血液フロンティア (ISSN:13446940)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.205-214, 2019-01-30

腎臓は生体の恒常性の維持に重要な役割を果たしており,腎機能が低下すると高血圧,浮腫,電解質異常,心不全などが起こる。慢性腎臓病の患者数は増加の一途であるが,現行の治療は対症療法や進行抑制にとどまり,失われた腎機能を回復する手段は腎移植のみである。そのため,腎臓の再生医療に期待が寄せられ,研究が進められている。本稿では,腎臓病に対する幹細胞治療の現状,Muse細胞を用いた腎臓病治療の基礎実験と展望を紹介する。