著者
桂 重樹
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.67, 2015

<b><u>目的</u></b> 若者を中心として浴槽に浸からずシャワーのみ、という入浴形態が増えている。しかし、主として単身者が居住する1K等の住居には、浴槽付きの浴室が完備されていることが多い。このようなシャワー浴ならば、シャワーブースのような空間の方が快適に目的を達することができる。そこで、賃貸住宅とその浴室や若者の入浴習慣をアンケート調査等により調べた。<br> <u>方法</u> 全国管理戸数が上位3社に位置づけられている大東建託、レオパレスおよび積和不動産が管理している東京、大阪、および宮城県にある賃貸住宅各50戸の合計450戸について、その延面積と浴室面積、構成について分析した。また、10代から30代の男女計100名に対して入浴習慣に関するアンケートを実施した。<br> <u>結果</u> 賃貸住宅の延面積の平均値は、宮城県、東京、大阪でそれぞれ22.52、22.50、20.77㎡、浴室面積の平均値は1.50、1.55、1.53㎡であった。浴室の構成として、浴槽、シャワー、洗面台というタイプが205件、浴槽とシャワーだけのものが166件であった。また、入浴習慣についてのアンケートから一人暮らしの場合、年に数回浴槽に浸かるものが最も多く、ほぼ毎日浴槽に浸かっているものは5%しかいないことが明らかになった。このことから、賃貸住宅の浴室をシャワーブースのみにし居室面積を増やして、狭いながらもゆとりのある空間を備えた賃貸住宅を提案できる可能性があることを示した。