著者
大江 孝明 林 恭平 桑原 あき
出版者
和歌山県農林水産総合技術センター
雑誌
和歌山県農林水産総合技術センター研究報告 (ISSN:13455028)
巻号頁・発行日
no.7, pp.55-61, 2006-03

ウメ果実の品質成分含量、紅色着色、硬度の点で育種上有用な品種を探索した。1.達観による青果収穫果実の比較において、品質成分含量で'二青梅'、'薬師'、'児玉'、'地蔵'、'西洋梅'、'大平'、'美里'が、紅色着色で'紅サシ'、'東地紅'、'白王小梅'、'前沢小梅'、'竜峡小梅'、'谷口紅'が有望と考えられた。2.小梅とアンズ系の品種を除いた普通種のウメでは、青果収穫時期が遅い品種ほどクエン酸含量が高い傾向が見られた。3.青果収穫果実で有望と考えられた品種のうち、収穫労力や梅干加工適性を考慮し、普通種のウメに絞って品質成分含量や果実形質の推移を詳細に調査した結果、'地蔵'と'二青梅'が有望と考えられた。特に'地蔵'はβ-カロテンやソルビトール含量が突出して高く、外観上鮮やかなオレンジ色を呈する特徴を有していた。