著者
大西 厳 水野 政夫 浜井 栄 桝屋 禎祐
出版者
JAPAN WELDING SOCIETY
雑誌
溶接学会誌 (ISSN:00214787)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.181-184, 1951

金属板上に塗装されたペイント,パーニツシュ,ラツカーの類を能率的に取去るため酸素アセチレン火焔を利用することを試みた.ペイントバ一ナーはアメリカに求いては既に実用化されているようであるが,吹管の構造,実用効果等の報告には接していない.<BR>この目的のために重量約200gの多孔式吹管を試作し相当な成功を牧めた.すなわち酸素過剩焔としてペイント塗裝面にあて,塗裝物の燃燒後,残渣を針金ブラツシユでこすり落す.<BR>しかしながらペイントと称するものゝ中にも多くの種類があり,簡單に清掃し得るものとしからざる1ものとがある.概括的にはラツカドが最も燃え易くオイルペイント,エナメルペイントはこれに次ぐ.但し,オイルペイント中でも顔料の関係で難易がある.クロームエロー,ウルトラマリン等のペイントは困難であるが他の多くは燃燒除去を行い得る.<BR>木材面庭紙片が糊付されている場合は初に紙片及びその附近を充分水に丁しめらし,濡れた歌態において火焔をあてると紙片のみを燃燒し去り,木材面に少しの害をも興えない.紙片が極めて小なる場合には別に多孔式吹管を必要としない.