著者
野々村 敦子 谷 淳弘 桝本 みな
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.407-418, 2019 (Released:2019-05-20)
参考文献数
17

南海トラフ巨大地震が発生すると,津波の影響を受ける沿岸部のすべての人は,すみやかに避難しなければならない。強い余震が頻発する可能性を考えると,避難を強いられる期間は数日に及ぶことも視野に入れておく必要がある。津波浸水域外に避難することが最善の避難方法であるが,高台がない,避難経路が閉塞されている,体が不自由である場合などは,津波浸水域外への避難が困難な場合も考えられる。沿岸部において津波からの避難の可能性を広げるためには,避難場所の選択肢をいくつか設けておく必要がある。本研究では,まず,津波避難に向けた準備の現状を調査する。次に津波からの避難の可能性を広げるため,津波避難ビルを増やすための住民主体のワークショップを提案する。