著者
梁 暁虹
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

この三年間、主に「三種音義」(『大般若経音義』(石山寺本)、『大般若経字抄』(石山寺本)、『大般若経音義』(無窮会本)の写本仏経音義)を資料として、漢字学、特に異体字比較研究の角度から研究してきた。その成果は、学術雑誌にて出版した論文が13篇、専著一冊、また国際学術会議で発表した論文が15点になる。その意義を特筆するとすれば、「三種音義」の学術的価値を国際的視野の下に仏教音義研究を位置づけつつ、その資料の重要性を広く学界に紹介することでもある。さらに、異体字研究を通して、漢字が東伝し、新羅や日本へ流入、発展、変遷した過程を跡付ける漢字の文化史を明らかにすることも兼ねる。