著者
金 鍾和 梁 鍾奎 欅田 榮一
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.47-52, 1997-01-10
参考文献数
8
被引用文献数
1 4

都市ゴミ焼却炉飛灰に含まれている金属元素のうち, 化学製品の原料として再利用可能なもの (例えばカドミウム, 銅, マンガン, 鉛, 亜鉛等) を, 回収するプロセスの開発を目標とした.<BR>沈殿法分離プロセスの計算機援用合成法によって合成された既報の候補プロセス (C) を進化させて, 候補プロセス (D) を合成した.このプロセスは, 飛灰をHNO<SUB>3</SUB>によって浸出した液にNa2<SUB>2</SUB>Sを添加して回収対象金属の硫化物を沈殿させ, この沈殿を希硫酸, 濃硫酸, 希硝酸によって逐次溶解して, Mn<SUP>2+</SUP>, Zn<SUP>2+</SUP>, Cd<SUP>2+</SUP>, Pb<SUP>2+</SUP>をそれぞれ単離し, CuSを沈殿として残すものである.さらに, 各金属の純度を向上するために, 候補プロセス (D) を改良して, Zn<SUP>2+</SUP>が含まれているMn<SUP>2+</SUP>及びCd<SUP>2+</SUP>ラフィネート留分をbis (2-ethylhexyl) phosphoric acid (D2EHPA) によって溶媒抽出してZn<SUP>2+</SUP>を分離する操作及びCuSをNH<SUB>4</SUB>OHあるいは (NH<SUB>4</SUB>) <SUB>2</SUB>CO<SUB>3</SUB>によって [Cu (NH<SUB>3</SUB>) <SUB>4</SUB>] <SUP>2+</SUP>とし PbSを沈殿として残す操作を加えた候補プロセス (E) を合成した.