著者
梅原 基雄
出版者
淑徳大学短期大学部
雑誌
淑徳短期大学研究紀要 (ISSN:02886758)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.1-7, 2004-03-15

本稿は、Y社会福祉協議会のボランティアセンターが派遣したボランティアZが身体障害者Xの歩行介護を行っている間に起きた転倒事故について、YとZの損害賠償責任が争われた事案で、Y社会福祉協議会と原告Xとの間には準委任契約関係は存在しないと判断され、Y社会福祉協議会の債務不履行責任が否定されるとともに、ボランティアZについても本事例の場合・善管注意義務違反による責任が否定された判例について解説したものであり、ボランティア、実習に参加する場合どのような注意が必要かについても述べたものである。社会福祉学科という特質性から、ボランティア参加や実習に出る学生が多く、その動機については様々であると思われるが、直接利用者と接し介護や指導監督をすることの責任の重要性について、関連の教職員と学生には特に再認識を促したい。