- 著者
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亀山 幸吉
田村 惠一
萩原 英敏
- 出版者
- 淑徳大学短期大学部
- 雑誌
- 淑徳短期大学研究紀要 (ISSN:02886758)
- 巻号頁・発行日
- vol.49, pp.31-65, 2010-02-25
保育・介護など、福祉労働の現状を知る為、本学卒業生5,000名へ、労働状況に関するアンケート(回収率14.4%)を行なった結果、以下の様な事が明らかになった。1.税込み年収の平均は256万円(勤務平均5年)であり、日本の他の職業の平均に達した者は、5%しかいない低賃金であった。特に民間経営の保育所に低い所が多かった。2.労働条件の満足度の低い主な勤務先は、保育所(私立)や、老人福祉施設など、就業者の多いところであった。また職務でも、保育士(クラス担任)、介護福祉士(一般職)に、満足度の低い者が多かった。3.休憩時間は、ほとんどの保育所は十分取れていない。また拘束時間も8時間を守られているのは認可保育所(公立)のみである。4.時間外労働の長いのは、乳幼児を対象とした入所施設である。5.勤務形態別に見ると、非正規雇用の方が、正規雇用に比べて、労働条件が悪い。6.労働環境に問題を感じた時の活動は、職場などへの働きかけが、全体的に多いが、広範な社会的活動への意識も少しずつ芽生えている。7.回収率から、マスコミへの影響などからか保育士の方が、介護福祉士より、労働条件などの問題への意識が弱い。