著者
末田 香里 磯口 由香里 梅村 優子
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.167-171, 1988-03-01

乳歯う蝕に関わる要因を明らかにする目的で,4才児の母親にアンケート調査を行った.有効回答160をう歯保有者と非保有者の2群に分けて,う歯予防の処置,子供の食べものの好み,親のおやつの与え方を比較した.その結果,1)歯磨きの仕方,フッソ塗布の普及率はう歯保有者と非保有者の間で差はなかった,歯科検診受診,デンタルフロスの使用率はう歯保有者の群で高かった.2)子供自身の食品の好き嫌い,市販のおやつの好みに両群で差は認められなかった.3)親のおやつを与える回数,時刻,市販のおやつの買い方,家庭で作るおやつの種類に両群で差は認められなかった.しかし,手作りおやつを与える留意点としてう歯保有者群においては非保有者群に比し,子供の好みが優先される傾向にあった.う歯保有者と非保有者群の間では親の意識に差があるのではないかと推測された.