著者
梶川 伸一
出版者
三田史学会
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.1(445)-43(487), 2014-01

論文一 レーニン体制の支配構造 1 「十月革命」は存在したか 2 「赤色テロル」はなぜ発生したか 3 「赤色テロル」とは何か 4 食糧独裁体制の成立 5 共産党独裁のはじまり 6 生活条件の悪化の下での「赤色テロル」二 割当徴発の実態(戦時共産主義体制)三 農民の窮乏化とアントーノフ蜂起四 クロンシタット反乱五 現物税実施の意味六 飢饉をも容赦しない徴税活動七 大飢饉と救援活動八 教会弾圧九 終わりに
著者
梶川 伸一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

1922年初頭からはじまるロシア正教会への弾圧はまず、飢餓民に必要な食糧を外国で購入するための貴金属没収の口実ではじまった。このキャンペーンの開始時には、中央委員の多くは必ずしも反教会の強攻策を支持しなかったが、3月半ばのシュヤ事件に対する党中央委員への秘密書簡は党指導部内のこれまでの待機的気分を一掃し、軍事力を動員しての教会と聖職者への容赦のない弾圧と迫害がはじまった。このようにして、宗教弾圧の実施過程でゲー・ペー・ウーにより民衆の抵抗を圧殺するシステムが動き出したのである。