著者
鳴海 拓志 谷川 智洋 梶波 崇 廣瀬 通孝
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.579-588, 2010-12-31 (Released:2017-02-01)
被引用文献数
7

Gustatory information has rarely been studied in relation to computers, even though there are lots of studies on visual, auditory, haptic and olfactory information. This scarcity of research on gustatory information has several reasons. One reason is that taste sensation is based on chemical signals, whose functions have not been fully understood yet. Another reason is that taste sensation is affected by other factors, such as vision, olfaction, thermal sensation, and memories. Thus, complexity of cognition mechanism for gustatory sensation as described above makes it difficult to build up a gustatory display. Our research utilizes the complexity of cognition mechanism for gustatory sensation, in order to create a pseudo-gustatory display, which induces cross-modal integration by presenting texture and odor. "Meta Cookie" combines augmented reality technology and olfactory display technology. Merging of these two technologies creates a revolutionary interactive gustatory display. With this breakthrough combination of technology, we realize a novel gustatory display system. Pseudo-gustatory display is a novel concept to deal with gustatory information in the area of interactive techniques and open up a new horizon for computer human interaction.
著者
鳴海 拓志 伴 祐樹 梶波 崇 谷川 智洋 廣瀬 通孝
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.1422-1432, 2013-04-15

本研究では,拡張現実感を利用することで満腹感の手がかりとなる要因を操作し,同量の食事から得られる満腹感を操作する「拡張満腹感」システムを提案する.近年の心理学や行動経済学等の研究の進展により,食事から得られる満腹感は,食事そのものの量だけでなく,照明環境や環境音,盛りつけや見た目の量,一緒に食べる人数等,食事の際の周辺の状況に暗黙のうちに大きく影響を受けることが明らかになってきている.こうした知見に基づき,食事そのものを変更するのではなく,満腹感に寄与する要素に対する知覚を変化させることで,満腹感と食事摂取量の非明示的な操作が可能になると考えた.そこで,満腹感に影響を与える要素の1つである食品の見た目の量に着目し,リアルタイムに視覚的な食事ボリュームを変化させてフィードバックする拡張満腹感システムを構築した.このシステムでは,デフォーメーションアルゴリズムであるrigid MLS methodを利用して食品を握る手を適切に変形することで,手のサイズは一定のまま,対象となる食品のみを拡大・縮小することができる.実験により提案システムがユーザの食品摂取量に影響を与えるかを評価したところ,得られる満腹感は一定のまま食品摂取量を増減両方向に約10%程度変化させる効果があるという結果が得られ,提案システムが無意識的に満腹感を操作し,食品摂取量を変化させる効果があることが示唆された.
著者
梶波 崇 林 織部 鳴海 拓志 谷川 智洋 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.25, pp.67-72, 2010-06-29

本研究では,従来からの博物館展示の形式を踏襲しつつ,デジタル技術によって展示物の背景情報を伝達可能にするデジタル展示ケースシステムを提案している.展示物に付随する背景情報を,同じ時代に作られたもの同士の関連性といった共時性とその経年劣化や来歴といった経時性の二つに分類した上で,この二種の背景情報を直観的に提示するための手法について検討する.これらの手法を実現するシステムとして,パネルとケースからなるCGを利用したインタラクティブな展示装置を作成した.さらに土偶をコンテンツとして展示を実装し,博物館からの評価を受け,デジタル展示ケースシステムの有用性を検証した.