著者
梶谷 桂子
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

我々は、浸潤生乳管癌178例に対して免疫組織化学的染色によってWnt5aの発現とER, HER2などの臨床病理学的因子との関連性を検討した。その結果(1)全178例中、Wnt5a陽性乳癌は69例(39%)であり、Wnt5a発現とERは有意に相関していた。(2)ER陽性乳癌153例におけるWnt5a発現の意義を検討したところ、リンパ節転移、核グレード、リンパ管侵襲、脈管侵襲との間に有意な相関を認めた。(3)無再発生存期間を比較すると、Wnt5a陽性乳癌はWnt5a陰性乳癌よりも短かった。以上より、Wnt5aはERの発現と相関が強く、ER陽性乳癌においては予後予測因子になることが明らかになった。