著者
梶谷 美保 青木 直和 小関 健一 小林 裕幸
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.385-388, 2001-12-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
11

重クロム酸ゼラチンに代わるピグメント印画法として, 鉄 (III) 塩の鉄 (II) 塩への光還元に基づく光重合型印画法について研究した。露光された部分で生成される鉄 (II) は過酸化水素と反応するとヒドロキシルラジカルを生成する。これはアクリルアミドの重合を開始させる。本研究では, 支持体に塗布される感光液に含まれる3つの成分 (アクリルアミド, N, N'-メチレンビスアクリルアミド, クエン酸鉄 (III) アンモニウム) の濃度を実験計画法に基づき変化させ, 良い画像を得るための最適な処方を見つけた。感度, ガンマは重クロム酸ゼラチンと同レベルだが, レリーフ画像の最小膜厚は1μm程度であり, この点に関しては重クロム酸ゼラチンよりやや劣る。