著者
羽鳥 浩章 棚池 修 曽根田 靖 児玉 昌也
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
雑誌
Synthesiology (ISSN:18826229)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.228-237, 2013 (Released:2014-02-04)
参考文献数
22
被引用文献数
1 3

省エネルギーかつ利便性の高いシステムを構築するため、蓄電デバイスには、電気をたくさん貯めるだけでなく、電気の出し入れを高速で行うことも求められるようになってきた。高速充放電型蓄電デバイスの研究開発は、ナノテク材料製造技術とエネルギーデバイス製造技術という対象スケールの大きさがかなり異なる分野の融合領域であり、また、実用デバイス製造では要素技術の選択と融合が鍵となることから、構成学的にも興味深い研究開発分野と言える。この論文では、高性能キャパシタデバイス開発を目的に産学官連携で実施されたプロジェクトの開発経緯を実例として示しながら、材料技術シーズの探索からデバイス製造までの研究開発のアプローチや手法等を紹介する。
著者
宮嶋 尚哉 棚池 修
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

特徴的なナノ構造を有するバクテリアセルロースゲル(ナタデココ)を用いて,金属塩担持バインダレスカーボン電極の合成を試みた。種々の金属イオン(Mo, Mn等)を含む水溶液にナタデココを含浸,乾燥を行い,引き続き窒素雰囲気下で加熱処理を行った。セルロース中の酸素と含浸金属塩が反応することで,それらの金属酸化物がセルロース炭化物中に高分散担持され,さらに,加熱前のセルロースファイバのナノフィブリルがそのまま保持炭素化されることで,ミクロ孔性のバインダレス電極が得られた。担持金属酸化物はレドックス反応の活性種として機能し,ポーラスカーボン由来の電気二重層容量に加えて疑似容量の増加が認められた。