著者
吉田 稔 吉田 徹 齋藤 浩輝 川畑 亜加里 松嶋 真哉 森 佑紀 森 みさ子 小野寺 英孝 桝井 良裕
出版者
一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会
雑誌
学会誌JSPEN (ISSN:24344966)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.158-162, 2020 (Released:2020-11-27)
参考文献数
16

【目的/方法】2011年国際栄養調査で,本邦ICUの栄養療法における環境体制や実施状況の遅れが示唆された.2011年以降,それらに関する調査は殆どなく,神奈川県内ICUでの栄養療法の実態や栄養チーム内での栄養療法に対する見解を明確にする目的でオンライン質問票を用いた横断研究を行った.【結果】神奈川県内12施設13ICUから回答が得られ,経腸栄養プロトコール使用が54%,ICU常在管理栄養士が31%,ICU常在リハビリテーションスタッフが54%と以前と比し高水準であった.一方,エネルギー・たんぱく質の目標投与量に関し『わからない』と答えた施設が39%を占めた.【結論】ICUにおける栄養療法の環境体制は,以前と比し整えられてきている.一方,栄養チーム内での栄養療法の目標に対する共通見解にばらつきがある可能性が考えられた.今後,栄養チーム内での栄養療法の目標に関する共通見解を深めていく必要がある.