著者
森 みさ子
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.1246-1253, 2015 (Released:2015-12-20)
参考文献数
26

「病棟における栄養の面倒は誰がみるのか?」 難しいテーマである. 在院日数の短縮、医療費削減などが報告されている NSTの活動であるが、患者の生命を支える重要な栄養療法のうち、ほとんどの行為を実施するのは病棟看護師でありその責務は大きい. 看護師にとって栄養管理は特別なことではなく古来より療養上の世話として重要な要素に位置づけられている. チーム医療の重要性が問われている現在、多くの専門職が能力を発揮することができるように必要な情報を提供し、専門家同士の橋渡しをするために看護師は何ができるのか?患者の栄養状態や QOLを真剣に考えて、リソースとして多くの専門家の知恵や技術を発揮していただくことが重要なのではないだろうか. 本項では、専門家同士の連携を強化して質の高い栄養療法を提供するために、看護の実践家としての病棟看護師の役割について、当院における実践例を紹介する.
著者
吉田 稔 吉田 徹 齋藤 浩輝 川畑 亜加里 松嶋 真哉 森 佑紀 森 みさ子 小野寺 英孝 桝井 良裕
出版者
一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会
雑誌
学会誌JSPEN (ISSN:24344966)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.158-162, 2020 (Released:2020-11-27)
参考文献数
16

【目的/方法】2011年国際栄養調査で,本邦ICUの栄養療法における環境体制や実施状況の遅れが示唆された.2011年以降,それらに関する調査は殆どなく,神奈川県内ICUでの栄養療法の実態や栄養チーム内での栄養療法に対する見解を明確にする目的でオンライン質問票を用いた横断研究を行った.【結果】神奈川県内12施設13ICUから回答が得られ,経腸栄養プロトコール使用が54%,ICU常在管理栄養士が31%,ICU常在リハビリテーションスタッフが54%と以前と比し高水準であった.一方,エネルギー・たんぱく質の目標投与量に関し『わからない』と答えた施設が39%を占めた.【結論】ICUにおける栄養療法の環境体制は,以前と比し整えられてきている.一方,栄養チーム内での栄養療法の目標に対する共通見解にばらつきがある可能性が考えられた.今後,栄養チーム内での栄養療法の目標に関する共通見解を深めていく必要がある.